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【ラムズ ドラフト’21】2巡目(全体57位)WRトゥトゥ・アトウェルは40ヤードを4.27秒で走るリアル「アイシールド21」

tutu atwellドラフト
tutu atwell

ラムズが2021年ドラフトで最初に指名したのはルイビル大学のワイドレシーバー、トゥトゥ・アトウェルでした。

プロフットボール・ネットワークなど各社の予想はDTアーロン・ドナルドをサポートするエッジラッシャーや、FAでSジョン・ジョンソン、CBトロイヒルなどが流出して穴の空いたセカンダリー、QBマシュー・スタッフォードを守るオフェンシブラインマンなどがドラフト候補として挙げられていましたが、蓋を開けてみればスタッフォードの武器を増やすことを優先したようです。

そんなウィークポイントの補強を後回しにしてまでも欲しかったトゥトゥ・アトウェルという選手について調べてみました。

トゥトゥ・アトウェルについて

トゥトゥ・アトウェル 175cm 74kg ルイビル大学出身

本名はチャタリウス・トゥトゥ・アトウェル(Chatarius “Tutu” Atwell)といい、名前はお父さんのからもらったそうです。ちなみに同名のお父さんも大学時代、1994年から1997年までミネソタ大学で同じくWRとして活躍した選手で、2,640ヤードで171パスをキャッチし、17回のタッチダウンを記録しました。これは同チームの歴代4位に位置するようです。レシーバーとしての才能は父親譲りだったんですね。

息子の方はと言うと、高校時代はフロリダ州のマイアミノースウェスト高校で4年間QBとして活躍。マイアミデイド郡の年間最優秀賞を受賞しました。

しかしルイビル大学入学後はWRに転身。小柄な体格ながら2019年はレシーバーとしてレシーブ70回、1276ヤード、12TD、平均18.2ヤード、最長90ヤードを記録しています。また同年のラン・アフターキャッチの距離は3番目に多い988ヤードを記録。単純なパスキャッチだけでなくビッグプレーを生み出す力も兼ね備えています。

ルイビル大学はパワー5内のACCに属しており、レイブンズのQBラマー・ジャクソンやブロンコスのQBテディ・ブリッジウォーターなどを排出していますが、今年はアトウェルを含めて2人のみの指名となりました。

またAppleTVの「リハティシティーウォリアースアメフト選手を夢見る若者たち」という番組では高校時代のアトウェルが取り上げられているようです。興味があれば是非見てみてください。

40ヤード走4.27秒の「リアル アイシールド21」

アトウェルを語るのに欠かせないのが40ヤードを最速4.27秒で駆け抜けるスピード(2019年当時。21年の計測では4.32秒を記録)。「チーター」の異名を持つチーフスのタイリーク・ヒルが4.29秒なので、数字だけで言えばチーターより早い「ハヤブサ」になるのでしょうか。

小柄で華奢ながら黄金の脚を持つ、まさにリアル「アイシールド21」ですね!(セナは155cmと比べ物にならないくらい小さいですが)

漫画の世界とまではいきませんが、これほど小柄な選手がプロの世界に挑戦するのは夢がありますね。

とはいえどこまで通用するかは完全に未知数。懸念の体重はヒルと比べても10kgほど軽いためプロの世界で当たり負けしないか、怪我に悩まされないかが心配です。

ドラフト前の評価とマクベイHCの評価

持ち前の爆速スピードで注目を集めていましたが、やはり体重が軽すぎる(以前は60kg台だったこともある)ことから、例えプロに入ったとしても短命になるという見方が強かったようです。スポーツメディア各社が出すドラフト前のプロスペクトでは軒並み100位圏外となっており、全体的な評価としてはあまり高くありませんでした。

そのためこの順位での指名に疑問を持つ人もいる中、ドラフト後ショーン・マクベイHCは元ラムズのブランディン・クックスと比較し「クックスは比較的小さいプレイヤーだが、彼は強靭でフィジカルも強く、ダウンフィールドで大きなプレイをしている。トゥトゥにも同じようにプレイしてくれることを願っている」とコメントしています。とはいえクックスのプロ入り当時のサイズは178cm 84kgなので、やはり74kgという体重が懸念ですね……

ちなみにイーグルスが1巡目(全体10位)で指名したハイズマントロフィー受賞者のデボンタ・スミスは183cm 75kgと、身長こそ違いますが体重は同じくらい。この2人には、体重が軽い選手でも活躍できるということを証明してほしいですね。

ラムズのWR事情

ラムズのWR事情はといいますと、共に2025年まで契約を延長したロバートウッズとクーパー・カップというリーグ屈指のレシーバーコンビに、今オフにタイタンズに移籍したジョシュ・レイノルズの代わりにイーグルスから加入したベテランのデショーン・ジャクソン、20年ドラフト3巡目のヴァン・ジェファーソンという布陣となっています。

ここではアトウェルの持ち味である単純なスピードで比較をしてみます。

トゥトゥ・アトウェル4.27秒(最新の正式記録は4.32秒)
ロバート・ウッズ4.51秒(ドラフト当時)
クーパー・カップ4.62秒(ドラフト当時)
デショーン・ジャクソン4.35秒(ドラフト当時)

全員ドラフト当時の数字ですが、こう見るとやはりアトウェルは早いですね。ジェファーソンの公式な記録は見つかりませんでしたが、ジェファーソンもなかなか早いらしいです。なのでもしかしたらジェファーソンにはダウンフィールド深くに走る力を求めていたが期待していた活躍をしてくれなかったので、さらに早いであろうアトウェルを指名したのかもしれませんね。

またドラフト前にデショーン・ジャクソンを獲得したのも興味深いですね。ジャクソンも小柄(178cm 79kg)ながら、プロ入り1年目からレシービング912ヤードを獲得、その後1000ヤード越えを5度記録している素晴らしい選手です。しかし近年は怪我の影響もありここ2年で8試合の出場にとどまっていました。35歳という年齢を考えれば1年契約でも5億円弱の契約は破格じゃないかと思ってしまいますが、今思えばアトウェル獲得を見越してその経験を伝えるためのコーチ料も含めていたとも考えられますね(かなり結果論ですが)

まとめ

小柄ながら俊足を生かしてディープに走れるトゥトゥ・アトウェル。スピードだけなら超一流ですが、懸念となる75kgという体重が、90kg100kgは当たり前のプロの世界で通用するのか、あるいはシーズン開始までにスピードは残しつつ体重を増やしてフィジカルを鍛えることができるのか。いずれにせよラムズの2021年ドラフトのトップ指名ということもあり、そのスピードを生かして活躍してほしいですね。

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