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【vsカウボーイズ】なぜラムズはゴフをトレードしたのか。シーズンを振り返りながら考える Week1

week1ラムズ

2020年シーズンを振り返りながらQBジャレッド・ゴフがライオンズにトレードされた理由を考えていく本連載のWeek1。ラムズの2020年初戦は前年ダブルスコアでボロ負けしたカウボーイズを総工費5300億円を掛けて新築した本拠地ソフィスタジアムに迎え入れての1戦。ラムズはこの記念すべきこけら落としの試合をなんとしてでも勝利で飾りたいところ。

また前年までラムズ不動のキッカーとして8年間在籍したグレッグ・ズアーレインが移籍したのがカウボーイズということで、いきなり古巣との試合になりました。

まずは試合結果を振り返っていきます。Week0を読んでない方はこちらもチェックしてみてください。ゴフがドラフトされてから2019年までを振り返っています。

試合結果

スコア17対20でラムズの勝利

カウボーイズのDEマーカス・ローレンスによるニュートラルゾーン・インフラクションで始まった試合は、ゴフからWRロバート・ウッズへのプレイアクションパスなどでスムーズにゴール前までボールを運ぶと最後はRBマルコム・ブラウンで押し込んでタッチダウン。75ヤードを7プレイ3分強でタッチダウンまで持って行き幸先良いスタートを切りました。

その後ラムズはFGを決めるもカウボーイズの連続タッチダウンで逆転。しかし3QにWRジョシュ・レイノルズへの絶妙なパスでゴール前2ヤードまで進むと再度マルコム・ブラウンのTDランで再逆転。カウボーイズは最後まで粘るもラスト30秒の「疑惑の判定」でオフェンスのパスインターフェアを取られて万事休す。ソフィスタジアムでの記念すべき初戦は見事ラムズが勝利で飾りました。

試合全体の感想

辛くも勝利したWeek1。獲得ヤードやボール支配率を見ても接戦だったこの試合全体の個人的ハイライトはこの3つでした。

  • 勝因はディフェンスと審判の笛
  • 影のMVP、OL陣
  • 新Kサム・スローマンの不安な船出

勝因はディフェンスと審判の笛

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試合終了までどちらに軍配が上がるかわからないハラハラした展開でしたが、ディフェンスと審判の判定に勝たせてもらった試合でした。カウボーイズの最初のポゼッションシリーズでDLアーロン・ドナルドがサックを決めて波に乗ると、試合最終盤3点リードの場面でLBレナード・フロイドもサックを決めるなど要所を押さえてカウボーイズの3rdダウン成功率を25%に抑えました。2試合目以降カウボーイズがプレスコットを怪我で失うまでの4試合で平均して36.5点を挙げているカウボーイズオフェンスを17点に抑えたのですから見事というほかありません。

最後のCBジャレン・ラムジーに対するWRマイケル・ガラップのパスインターフェアは正直どうなんだろう…と思いましたが、それもラムジーの巧さということですかね。

とはいえカウボーイズのQBダック・プレスコットもドナルドのプレッシャーが掛かった場面でも冷静にパスを通すなど安定したプレーで順調にフィールドを進めTDも決めましたが、ラムズディフェスが総合的に上回ったかたちでした。

影のMVP、OL陣

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前年そのほとんどが怪我で離脱したOL陣は全員が復帰し、ゴフを見事に守りました。ちょうど1年前の2019年Week1の先発から変更になったのはCブライアン・アレンがスタメンを外れ昨年途中加入したオースティン・コルベットがそのまま先発に居座ったという点だけですが、RGだったオースティン・ブライスがCになり、コルベットをRGへと配置換えしたのが良いケミストリーを産んだのかもしれませんね。この安定したOLはゴフへのプレッシャーを11.8%まで押さえ込んでいます。前年平均の18.5%からさらに下がりました。

右側がラムズ陣地

ただこの試合両チーム合わせて唯一のインターセプトがあった場面では、カウボーイズのDEオルドン・スミスが内側から回り込むようにパスラッシュに来たのを察知できず、右サイドに釘付けになったセンターのブライスが独りポツンと取り残されてしまいました。まあLBのジェイロン・スミスがブリッツをかけてきそうな感じはあったのでそれを警戒していたのだと思いますが、真ん中にポッカリ空けてしまった穴から侵入してきたオルドン・スミスがゴフのパスを狂わせてインターセプトに繋がってしまいました。前述のようにブライスはRGからCにコンバートした経緯がありますが、ラムズでのキャリアを通してセンターで641スナップ、レフトガードで89スナップ、ライトガードで538スナップをプレイしていたのでセンター経験もあります。しかし最後にセンターだったのは2017年だったので勘を取り戻すのに少し時間が必要だったのかもしれませんね。

新Kサム・スローマンの不安な船出

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まあ最終的には解雇されてしまうんですが、ドラフト7巡目でピックしたKサム・スローマンのNFL最初のFGは29ヤードと短い距離でしたが見事に外してしまいます。その後2度のFG(35、31ヤード)は決めますが、低い弾道で不安を覚えてしまいました。

まあ最終的には7試合目が終わった時点で解雇されてしまうんですがね。

今週のゴフ

成功/試投成功率ヤード平均TDINT被サックレイティング
ゴフ20/3164.5%2758.9011-679.4
プレスコット25/3964.1%2446.8103-2292.5

さて、いよいよ本題となるWeek1のゴフについてです。試合こそ勝ちましたがレイティングは79.4と低調でゴフ個人としてはあまり良いスタートを切れず。まあパサーレイティングなのでいくらパスでヤードを稼いでもタッチダウンが0でインターセプトを喫してしまうと低い数字になってしまいますね。

ゴフに関してこの試合で気になった点は下記です。

  • 前半の小気味良い試合運びと後半の失速
  • スクリーンパス失敗時の判断
  • ラン比重の高いオフェンス

前半の小気味良い試合運びと後半の失速

ゴフの2020年初陣は驚くほどスムーズにボールを前に運び、開始3分強で先制点を挙げました。その後もボールを前に進め、この日稼いだ422ヤードのうち前半だけで256ヤードを稼ぎます(ラン・パス合計)。その反面後半は失速。前半0だったパントは3つとなり、インターセプトも取られました。

とはいえ前半が完璧だったかというとそうでもなく、レッドゾーンまでボールを運ぶもタッチダウンはマルコム・ブラウンによるランのみで、レッドゾーンでのTD率は25%にとどまっています。対するプレスコットは100%(2/2回成功)だったこともあり、レッドゾーンでの決定力の弱さが浮き彫りになった試合でした。

スクリーンパス失敗時の判断

2Q残り3分、敵陣20ヤードでWRロバート・ウッズへのスクリーンパスの場面ですが、ブロッカーとなるLTアンドリュー・ウィットワースとLGジョセフ・ノートボーンが二人ともブロックに失敗し、ウッズはフリーになれず。そこでゴフはボールを投げ捨ててプレーをやめました。ここでウッズにパスが通っていたらすぐにタックルされ8ヤードほどロスしてしまっていたので悪い判断ではなかったと思いますが、結局このシリーズはFGで終わってしまいます。ゴフにプレッシャーがかかっていなかったことや右サイドがガラ空きだったこと、また直後にWRクーパー・カップがフリーになりそうだったことから、もう少し周りが見えていれば右にスクランブルをかけたりカップへのパスという選択肢も出てくるので全く違った展開になっていたかなと(結果論ですが)。

ゴフの判断力については2018年のSBから懸念されていましたが、前述したようにレッドゾーンでの決定力に不安が残るシーンでした。

ラン比重の高いオフェンス

これは良い悪いではないのかもしれませんが、この試合パス31回(前年平均39回)ラン40回(同25回)でパスとランの比率が43.7%:56.3%でした。前年平均がパス60.9%:ラン39.1%だったので比較するとだいぶランに比率が傾いています。(昨シーズンこれを上回ったのはWeek2と10の2試合のみ)

リードしている接戦で終盤ランが多くなる(逆に大差で負けていて追いつくためにパスが多くなる)ことは常ですが、前半だけでラン21回なので前後半で半々だったことになります。これはシーズン前にカットしたRBトッド・ガーリーに頼り切っていたRB陣が生まれ変わったことを印象付けるためか、はたまた弱体化したRBで勝負に来ないだろうという相手の読みを逆手に取った戦略だったのか。

まあいずれにせよ決して強力とは言えないカウボーイズディフェンスに対して20点に抑えられてしまっているので目論見は外れてしまったことになります。ドラフト2巡目のRBキャム・エイカーズが覚醒するまではもうしばらく掛かります。

まとめ

新しい本拠地ソフィ・スタジアムでの記念すべき初戦を勝利で飾った2020年Week1のゴフのまとめです。

  • 勝利はしたもののパフォーマンスが良かったとは言えない
  • 特に前半、自陣〜敵陣浅いエリアでのプレイは良かったがレッドゾーン付近ではパフォーマンスが低下する
  • 前年問題視されていた判断力には未だ疑問が残る

次回はWeek2フィラデルフィア・イーグルス戦です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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