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【試合レビュー】LAラムズ 2021Week7 vsライオンズ

2021年Week7LAラムズvsライオンズ試合レビューラムズ

試合結果

ラムズファン、ライオンズファンのみならず注目の対戦となったこのカード。今季初勝利を狙うライオンズはオンサイドキックと2度のパントフェイクを用いてラムズをかく乱し、3Q終了時点でリードを奪うなど善戦します。

しかしラムズはスタッフォードの3本目のTDパスで逆転すると、続けてFGを決めて2ポゼッション差に広げ、さらに自陣エンドゾーンでCBジャレン・ラムジーによるインターセプトで勝負あり。ラムズは6勝1敗とした一方、ライオンズは2008年にシーズン全敗を喫して以来の開幕7戦敗を記録しました。

先にゴフについての感想だけ書くと、ラムズ時代を応援していたファンからすればここまで落ちぶれてしまったのは正直虚しかったです。先制点となったRBディアンドレ・スイフトへのスクリーンパスもスイフトのミラクルキャッチのおかげですし、他にも簡単なショートパスをしっかり投げられていればもっと接戦に持ち込めたと思う場面がいくつかあり、ゴフのパフォーマンスの低下を如実に感じました。試合中イージーなパスミスをして仲間にもキレられていましたね…

ゴフには引き続き頑張ってほしいと思いますが、よほど暇でないかぎりライオンズの試合はチェックしないかもしれないですね。。

奇策にも動じないオフェンス

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成功/試投成功率ヤード平均TDINT被サックレイティングBadThDrops
M.スタッフォード28/4168.3%3348.1301-7117.381
J.ゴフ22/3661.1%2687.4122-770.162

QBマシュー・スタッフォードは最初の攻撃シリーズをフィールドゴールで終わらせたものの、その後は2連続タッチダウンを決めるなど安定した活躍を見せ、ライオンズが奇策で得点を重ねる中でも比較的安心して見ることができたと思います。移籍してきて7試合目ですが「スタッフォードなら逆転してくれるだろう」という信頼感をすでに抱かせてくれるのはさすがですね。

個人成績を見ると、この日は今シーズンの平均的な活躍といったところで、パス成功率68.3%、パス獲得334ヤード、3TDは飛び抜けて良いというわけでもなく、もちろん悪いというわけでもない数字。いや他と比べれば素晴らしい記録なんですが。少し気になったのはパス平均ヤードが8.2ヤードと、今季2番目に低い数字だったこと。最も低かったのはカーディナルス戦の6.8ヤードと、それまで見せていたロングパスをマークされて敗北を喫しました。この試合ではディープスレットのWRデショーン・ジャクソンが4スナップのみの出場でターゲット1回、キャッチ0回に終わっているので、後半戦に向けて攻め方を調整していくのかなども気になりますが、ライオンズが奇策で攻めてきたからこそ堅実に、自力の差でミスやターンオーバーが無く勝とうとしているのかなとも感じました。

レシーバー陣では、この試合でもWRクーパー・カップが2TDレシーブを決めるなどレシーブ10回で156ヤードを獲得。前試合に続きパス獲得ヤードの約半分を占めています。カップは7試合ですでに9TDを獲得しており、怪我がなければキャリアハイの10TDを超えることは確実。16試合換算だと1,849ヤードの計算で、今季は17試合あるのでレシーブが2,000ヤードを超えることも視野に入ってきます。まあさすがに後半は失速するとは思いますが、現在カップはレシーブ回数(56回)、レシーブヤード(809ヤード)、TDレシーブ(9回)、1試合あたりのレシーブヤード(115.6)でリーグトップとなっているため、カップへのパス偏重は気になりつつもここまできたらどこまで記録を伸ばせるか見てみたいですね。

4回のスナップしか参加しなかったデショーン・ジャクソンがいる一方で、スナップの94%で出場したWRヴァン・ジェファーソンはキャッチ成功率こそ57.1%と低かったものの、難しいパスを見事にキャッチして反撃の口火を切るTDを決めました。ジェファーソンもディープに走ることができるため、いよいよジャクソンの居場所がなくなってきそうです。。。と書いていたらラムズはジャクソンと袂を分かつことにしたようですね。ジャクソンは出場機会を求めて他チームと交渉できるようになったとのこと。今のところWRデバンテ・アダムスやTEロバート・トニアンを欠くパッカーズが候補として挙げられていますが、はたして短期間でまとめられるのでしょうか。

ランが出ない状況は次戦でどう出るか

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好調が続くパスの一方でランはほとんど出ず。キャリー自体が少なかったこともありますが、RBダレル・ヘンダーソンが15回で45ヤード(平均3ヤード)と、時折素晴らしいランが出ることもありましたがなかなかボールを前に進めることができませんでした。RBソニー・ミッシェルも怪我の影響もあってかキャリー2回で4ヤードと全く仕事ができず。

次戦の相手テキサンズのランディフェンスはリーグ31位とランにめっぽう弱いチームということもあり、この試合で活躍できなかったRBの2人が活躍することが試合を楽に進める1つの要因となりそうです。

LBケニー・ヤングが謎のトレード

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この試合タックル7回(ソロ3回)、サック1回、ミスタックルは1回を記録したLBケニー・ヤングがドラフト7巡目指名権と共にブロンコスへトレードされました。見返りは6巡目指名権のみだったため、キャップスペースの削減を目的としたトレードだったわけですが、このトレードによって節約できたキャップスペースは約130万ドル(約1.5億円)。代わりの選手と目されるのが今年のドラフト3巡目で獲得したアーネスト・ジョーンズで、ドラフト前はランディフェンスで比較的高い評価を受けていたもののパスカバレッジが未知数のため評価を落としたという話もある選手です。DCラヒーム・モリスは彼の成長に自信があるようですが、ヤングはたった1.5億円の節約でトレードするほどの選手でも、代わりになる可能性がある選手(ジョーンズやトラビン・ハワード)との実力差が1.5億で埋まるのかは非常に疑問が残ります。

確かにこの試合でもあまり活躍できなかったCBデビッド・ロングや層の薄いセーフティあたりで他の選手をトレードで獲得するというのは必要な補強のように思いますが、節約できるキャップスペースが少ないのがやはり気がかりです。というかもっと早くデショーン・ジャクソンに見切りをつけろよと。

とはいえチームで2位のタックル数を誇る選手をトレードに出すくらいですから何かしらの算段があってのことなのは確実なので、トレード期限まで楽しみに待ちたいです。個人的にはDTアーロン・ドナルドの負担を減らせるようなDEを補強するのもいいんじゃないかと思っています。今季は相手QBへのプレッシャーが弱いと感じているので、プレッシャーをかけられるだけでなく、サックが狙える選手が欲しいですね。

スペシャルチームをなんとかしてほしい…

大方の予想に反して終盤まで勝敗がもつれ込んだのは、ライオンズの奇策による攻撃権の奪取でラムズの攻撃時間が取れなかったことが大きい要因でした。あとはライオンズのレシーバー陣が難しいパスをうまく取ってランアフターキャッチでボールを前に進めたからというのもありますね。

最初のオンサイドキックの直前なんかは何かしてきそうな雰囲気をひしひしと感じたのですが、いきなりオンサイドキックを仕掛けてくるあたり是が非でも勝ちたかったんでしょうね。その後もパントフェイクを2度繰り出してきたわけですが、ラムズのスペシャルチーム(St)は全く対応できませんでした。今季のStはキックオフでリターンしたのが平均18.4ヤードでリーグ29位、逆にキックオフでリターンされた距離は平均24.8ヤードで26位とどちらも下位に沈んでおり、ユニットでうまく連携が取れていないのが現状です。

このStの弱体化は今に始まったことではなく、2019年にStの成績不振で8年間Stコーディネーターを務めていたジョン・ファッセル(現カウボーイズ同コーディネーター)が解任されてからユニットの瓦解に拍車が掛かりました。昨年はファッセルと共にカウボーイズに移籍したKグレッグ・ズアーレインの不在も低迷の大きな要因でしたが、Kマット・ゲイの加入でキッカーに関しては安泰となっています。

またファッセルの後釜として昨年就任したジョン・ボナミゴも結果を残せず1年でクビに。今年からはStコーディネーター歴30年以上のジョー・デカミリスが就任しましたが、なかなか結果が出せていません。このままだとデカミリスも1年でお払い箱となってしまうので、なんとかStチームを再建してほしいです。

Week8テキサンズ戦のプレビュー

次戦は1勝6敗と目下再建中のテキサンズが相手。勝敗よりもリーグ屈指のクォーターバック、デショーン・ワトソンのトレードがまとまるかの方に注目が集まっていますが、ラムズとしては地区首位に並べるかが懸かった大事な1戦です。

成功/試投成功率ヤード平均TDINTレイティングラッシングヤードラッシングTD
M.スタッフォード161/24169.3%2,1729194116.7240
D.ミルズ111/17164.9%1,0476.15774.480
今季のスタッツ比較

テキサンズのQBは今年のドラフト3巡目(全体67位)のデイビス・ミルズ。正直テキサンズの試合はほとんど見ていないのでミルズがどんな選手かあまりわからないのですが…スタッツだけ見るとまだNFLのレベルに至っていない感じでしょうか。まあ本来先発だったタイロッド・テイラーをWeek2で失い、そのまま新人にチームの命運を託すのは酷な話ですよね。

攻撃陣には元ラムズのWRブランディン・クックスがおり、昨年ワトソンとのコンビで1,000ヤードレシーブを超えた実力は健在のようです。しかし今季タッチダウンは1回のみ。これはミルズ側に問題がありそうですが、クックスはディープに走れる危険な選手ですので注意は必要です。

またランニングバックではマーク・イングラムがトレードでセインツに戻りましたね。あまり活躍できていないイメージでしたが、それでもチームのリーディングラッシャーをトレードに出すというのはもう今季は捨てていると見られても仕方ないですね。あとRBフィリップ・リンゼイってかなり優秀なRBというイメージだったんですがもう峠を越えてしまったんですかね。ラムズにどうですか???

ディフェンスに関しては前述のようにランディフェンスがリーグ31位と下位な反面、パスディフェンスは18位と平均程度。大黒柱だったJ.J.ワットが抜けはしたものの、2年目のDEジョナサン・グリーナードが6サックをあげている点は注意が必要です。しかしスタッフォードを守るラムズOL陣は現在リーグ最小の被サック率(2.82%)を記録しており、またスタッフォードはブリッツをかけられた場面でも8TDでレイティング151.3を記録するなどプレッシャーが掛かった場面でも動じず素晴らしいパフォーマンスを見せています。

主な怪我人等

テキサンズ

テキサンズをタックル数でリードしているLBクリスチャン・カークシーが親指の怪我でクエッショナブルとなっています。

ラムズ

今まで比較的健康なシーズンを過ごしてきたラムズですが、OLの大黒柱であるLTアンドリュー・ウィットワースランディフェンスの要であるNTセバスチャン・ジョセフが欠場となっています。

またCBジャレン・ラムジー、CBロバート・ロッシェル、Sジョーダン・フラーがクエッショナブルとなっており、相手が再建期に入ったテキサンズといえど油断ならない状況となってしまっています。

多くの主要選手の出場が危ぶまれる中で地区同率首位に立つことができるのか。意外と見応えのある試合になりそうで楽しみですね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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