試合結果
ラムズにとってNFC西地区同率1位を懸けた大事な試合、相手は今季1勝のテキサンズ。
ラムズは初回の攻撃シリーズから効率よく得点を重ね、3Q終了時点で38対0とテキサンズを圧倒。4Qに7点を取られた時点で主力を下げたうえで逃げ切りを図るも、その後連続で15点を奪われます。さすがに4Qで22点を決められたのにはヒヤヒヤしましたが、それだけテキサンズが勝利に飢えていたということですし、きっかけさえあればこれから浮上していける力を持ったチームなんじゃないかと感じました。たぶんQBデショーン・ワトソンの問題であったり主力選手の流出などで選手はフラストレーションが溜まっているんじゃないかと思うので、この試合を機に後半戦頑張って欲しいですね。
完璧なスタッフォード、一方で控えQBは懸念
Embed from Getty Images成功/試投 | 成功率 | ヤード | 平均 | TD | INT | 被サック | レイティング | BadTh | Drops | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
M.スタッフォード | 21/32 | 65.6% | 305 | 9.5 | 3 | 0 | 0 | 127.7 | 6 | 2 |
J.ウォルフォード | 1/2 | 50% | 5 | 2.5 | 0 | 0 | 1-8 | 56.3 | 0 | 0 |
D.ミルズ | 29/38 | 76.3% | 310 | 8.2 | 2 | 1 | 5-31 | 106.3 | 5 | 0 |
QBマシュー・スタッフォードは3Q終了までにパス成功21回で305ヤード(平均9.5)を投げて3TD、0INTでレイティング127.7と完璧なパフォーマンスを披露。一方で4QからはQBジョン・ウォルフォードが今季2度目の出場を果たしましたが、時計を進めるわけでもなく、かといってボールを前に進めて得点するわけでもなく、どっちつかずなプレーになってしまいました。これによりすぐに攻撃権が移り、テキサンズの反撃の手助けをしてしまっていましたね。昨年は個人的にQBジャレッド・ゴフに対して鬱積した感情の反動でウォルフォードに期待するものが大きくなっていた部分もありましたが、スタッフォードという圧倒的なQBが入ったことで一気に現実が見えたというか、ウォルフォードだと厳しいというのをあらためて認識しました。
レシーブ、ランともに好調
この試合もリーディングレシーバーは115ヤード、1TDを稼いだWRクーパー・カップ。今季稼いだ10TDはすでにキャリアハイをマークし、レシービングヤードのキャリアハイである1161ヤードも次戦で超える可能性は十分あります。
またこの試合キャッチは3回と少なかったものの、レシーブとランで2TDを決めたWRロバート・ウッズの活躍も嬉しいところ。カップよりもスピードがあるウッズは、エンドアラウンドなどラン要員としても活躍でき、この日はレシーブ22ヤード、ラン35ヤードで合計57ヤードを稼ぎました。(カップは40Yds走4.62秒なのに対しウッズは4.51秒)
この試合からWRデショーン・ジャクソンがインアクティブ(のちにリリース)となりましたが、WRヴァン・ジェファーソンへの68ヤードのロングパスを決めるなど、ジャクソンが不在でも問題なく回せそうです。このロングパスも純粋なスピードと正確なルートランニングでスタッフォードからのパスをキャッチしたものでした。しかしジェファーソンはこのロングパスで膝を負傷。幸い大事には至っていないとのことですが、ジャクソンを放出したタイミングということもありこれ以上WRが減らないことを祈るばかりです。
負傷関連ではWRトゥトゥ・アトウェルもパントリターンで肩を痛め、IRに入りました。相手との接触というよりは、倒れた際に肩と地面の間にボールを挟んでしまって痛めたようでした。スピードは一級品ですが、やはり耐久力には問題がありましたかね…
また前節ではラン合計が47ヤードと全く走れませんでしたが、この試合ではRBダレル・ヘンダーソンが14キャリーで90ヤード(平均6.4)、1TDを記録。RBソニー・ミッシェルも9キャリーで42ヤード(平均4.7)など、チーム合計で165ヤードを走りました。テキサンズはランディフェンスでリーグ31位とランにめっぽう弱いこともあり、ランがしっかり出たことで実質3Qまでという短い時間でもパスも効率よく決めることができたんじゃないかと思います。
LBアーネスト・ジョーンズがいきなり大活躍!
Embed from Getty Images前節でLBケニー・ヤングがブロンコスへトレードされたことで、ドラフト3巡目の新人LBアーネスト・ジョーンズが初先発しスナップの89%でプレー。タックル7回(ソロ2回)、サック0.5回、ロスタックル1回、QBヒット2回、そしてインターセプトまで決める活躍を見せました!
ヤングがトレードされた時は目を疑いましたが、この試合では期待以上のパフォーマンスを見せてくれましたね。試合後のロッカールームではマクベイHCがジョーンズを称え、この日のゲームボールを渡していました。
どうする?ドンテ・ディーヨン
Embed from Getty Images今季初めて先発出場を果たし、スナップの97%でプレーしたCBドンテ・ディーヨンですが、この試合ではWRブランディン・クックスを相手にすることも多く、タックルは7回(ソロ6回)を記録したものの、パスカバレッジでは9回中7回で110ヤード、1TDを許してしまい、レイティングは154.6(高いほど悪い)を記録してしまいました。前々節はレイティング52.5、前節は50.7と良いパフォーマンスをしていただけに期待していましたが、エース級のWRと当たるとまだ不安定なプレー、特にスピードがあるクックスには手を焼いていたように見えました。(前々節がジャイアンツ、前節がライオンズという組み合わせは考慮すべき点ですが)
ただこの試合で2回の”インターセプト未遂”をするなど今後が楽しみな選手でもあるディーヨン。1回目のインターセプト未遂はLBアーネスト・ジョーンズの反則で消えてしまいましたが、WR顔負けの綺麗な両足残しを見せてくれました。
175cm72kgという小柄な選手ですが、アグレッシブなプレーと明るい性格でチームを盛り上げるムードメイカーの役割も担っています。次戦からは怪我で欠場していたCBダリウス・ウィリアムスが復帰する可能性があるので今後は出場機会が限られてしまうかと思いますが、少ないチャンスを生かして欲しいですね。
ボン・ミラーをトレードで獲得!
Embed from Getty Images試合レビューではありませんが、ブロンコスからOLBボン・ミラーを獲得しました!前節でLBケニー・ヤングをトレードで放出したことを受け、前の記事でサックが取れるDEとか欲しいなとは書いていましたが、まさかこんな大物を釣り上げるとは誰が予想したでしょうか…
11年のキャリアで110.5サックをあげているミラーは今季怪我の影響で1試合を逃しているものの、タックル19回(ソロ10回)、ロスタックル7回、4.5サックを記録しています。またパスラッシャーとしての実力は語る必要もありませんが、ランディフェンスも良いとのこと。
Twitterでの反応を見ていると、ブロンコスファンからいかに愛されていた存在なのかがわかりました。そんな選手がラムズに来てくれたというのは本当に嬉しいですね。
健康な状態であればラムズディフェンスにとてつもないインパクトを与えてくれることは確実なので、第50回スーパーボウルMVPには是非とも健康を維持してもらって、ラムズをスーパーボウル優勝に導いて欲しいですね。
Week9タイタンズ戦のプレビュー
次戦は6勝2敗でAFC南地区首位を走っているタイタンズ戦です。
成功/試投 | 成功率 | ヤード | 平均 | TD | INT | レイティング | ラッシングヤード | ラッシングTD | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
M.スタッフォード | 188/273 | 68.9% | 2,477 | 9.1 | 22 | 4 | 118 | 24 | 0 |
R.タネヒル | 172/262 | 65.7% | 2,002 | 7.6 | 10 | 7 | 90.2 | 165 | 3 |
タイタンズといえば何をおいてもRBデリック・ヘンリーですね。8試合ですでに937ヤード、10TDを決めています。とはいえ平均ラッシングヤードで言えば5.4から4.3に下がっているのを見ると、キャリーが異常に多いというのも要因の1つのようですが(昨年のWeek8までのキャリーは182回だったのに対し今年は219回と37回も増えている)。まさに馬車馬の如く走らされていたことが災いしたのか、ヘンリーはシーズンエンドになりかねない怪我で次戦は欠場とのこと。
これによりタイタンズはレジェンドRBエイドリアン・ピーターソンを練習生として獲得し、その後アクティブ登録をしました。36歳のピーターソンはヘンリーの活躍には及ばないものの、昨年の働きからも十分な戦力になると思われます。
QBライアン・タネヒルはスタッフォードと同じ33歳。今季はA.J.ブラウンとフリオ・ジョーンズというスターWR2人を擁してこれまでに2,002パスヤードを獲得していますが、タッチダウンは10と若干少なめ。これまでの被サックが24回でリーグワースト2位というのも影響していると思われますが、ラムズディフェンスはリーグ1位の25サックを記録しており、ボン・ミラーも加えたラムズディフェンスがタネヒルを捉えられるかも見どころ。
一方でラムズは走れるQBは苦手なので、165ヤード3ラッシングTDを獲得しているタネヒルに対処できるかは怪しいところ。2019年に復活を果たしてから安定して活躍しているタネヒルですが、今年まわりの選手に恵まれて開眼したスタッフォードとの同い年対決は注目です。
そういえば前ラムズのWRジョシュ・レイノルズがタイタンズに移籍しましたがどうなったんですかね?
主な怪我人等
タイタンズ
前述の通りRBデリック・ヘンリーが怪我で欠場。敵チームではありますが、ヘンリーのランが見れないのは残念ですね…それだけプレーを見ていてカッコいい選手です。
そのほかのスタメン級の選手で言うとGネイト・デイビス、LBラシャン・エバンス、CBグレッグ・マービンあたりが欠場とのこと。
前節で欠場したWRフリオ・ジョーンズは次戦では出場できるみたいですが、完全復帰となるかは微妙みたいです。
ラムズ
ランディフェンスの要であるNTセバスチャン・ジョセフが前節で欠場しましたが、正式にIRに入ることに。これはかなり痛いですね…
前述したWRトゥトゥ・アトウェルに加え、LBトラビン・ハワードもIRに入りました。
またボン・ミラーは前節の欠場から次戦も出場できるかは様子見のようですが、出場するんじゃないかと思います。他にもQBマシュー・スタッフォードやWRロバート・ウッズらもクエッショナブルのようですが、この2人が欠場したら試合にならないので考えるのはやめます笑
次戦は強敵タイタンズですが、新加入のボン・ミラーの出場など楽しみな試合となりそうですね!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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