試合結果
ラグビーかよ!と思わず言ってしまいたくなるような試合でした。。。
NFC西の同地区対決は、新加入のOBJことNFLのファッションアイコンでスーパースター、問題児、ワンハンドキャッチ、親父がモンスターペアレンツ、Beatsのヘッドホンを着けさせたら世界一カッコいい、問題児、で有名なWRオデル・ベッカムJr.へのQBマシュー・スタッフォードのロングパスがインターセプトされるという波乱の幕開けでスタート。
すると得意のグラウンドゲームで49ersが先制。次のラムズの攻撃でもスタッフォードはインターセプトを喫し2戦連続のピック6を決められます。スタッフォードにとって2戦連続のピック6はルーキーイヤー以来のことだそう。ラムズはタッチダウンを取り返すも49ersのランとガロポロの小気味良いショートパスを止められず、立て続けに17点を取られます。ラムズは再三レッドゾーンまで攻め入るも決定力に欠け惨敗。
ラムズは2連敗で7勝3敗で地区3位、シーホークスが敗北したため49ersは4勝で地区4位に上がりました。
レシーバーの助けなく…
Embed from Getty Images成功/試投 | 成功率 | ヤード | 平均 | TD | INT | 被サック | レイティング | BadTh | Drops | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
M.スタッフォード | 26/41 | 63.4% | 243 | 5.9 | 1 | 2 | 2-19 | 67.4 | 9 | 4 |
J.ガロポロ | 15/19 | 78.9% | 182 | 9.6 | 2 | 0 | 1-3 | 141.7 | 2 | 0 |
前節で今季最低のパフォーマンスをしたスタッフォードですが、早くもワーストを更新…
OLがダメダメだった前試合から一転、この試合スタッフォードにプレッシャーがかかった割合は7%(前試合は21.8%)と今シーズンを通しても特に良い仕事をしていました。
そのためスタッフォードのバッドスローが多かったというのも悲惨なオフェンスの要因でもありますが、この試合レシーバー陣のキャッチミスが酷かった。
TEタイラー・ヒグビーは結果的にピック6となったパスと3rdダウンの場面で2つのパスを落とし、WRクーパー・カップもこれまた3rdダウンの場面でドロップ。WRヴァン・ジェファーソンもTDパスを落とし、WRベン・スコロニクも(まあ少し高すぎたのでキャッチミスと言ってしまうと微妙ですが)TDパスを落としています。アメフトでタラレバはご法度ですが、3rdダウンでのなんでもないパスをしっかりキャッチして小さいミスの積み重ねがなかったらと思うと…
2回のキャッチミスを犯したヒグビーはキャッチ力に秀でたTEで、今季これまでイージーなキャッチミスは0回でした。それがこの日2回も、さらにクーパー・カップやジェファーソンの取ったかに見えたキャッチミスも全てシンクロニシティ的に起こったのか…なんて考えはじめると、それらは49ersのオフェンスが関係しているんじゃないかと考えてしまいます。
ラムズ最初の攻撃シリーズを加入後初出場のWRオデル・ベッカムJr.へのインターセプトで終わってしまったのもチームの雰囲気を悪くした要因ですが、代わった49ersの攻撃ではランでじりじり時間をかけて進められ、結局最後はパスでタッチダウンを奪われてしまうという最悪のシナリオ。パスで大きくゲインよりも、ランでボディブローのようにじわじわダメージを与えられてのTDはチームの士気に大きく関わっていたと思います。
それに加えてヒグビーへのパスをインターセプトされてピック6ですからね。前節からの流れを考えると「今週もかよ…」といった具合でかなり士気が下がったんじゃないでしょうか。
その後も止められないランと迫るタイムリミットでメンタル的にやられていたのがパスをポロポロ落とした原因でもあるのかなと思いました。
ガロポロ好みのディフェンス
Embed from Getty Images49ersは最初の攻撃シリーズを18プレイ、11分3秒をかけてタッチダウンを決めましたが、そのうち13プレイ(ペナルティを入れたら14プレイ)をランで進めました。
このラン攻勢をラムズディフェンスが止められなかったわけですが、原因の1つが今季一貫して続けていたソフト・パスカバレッジが挙げられそうです。これはCBがスクリメージラインから10ヤードほど離れた場所に位置することで、ある程度のゲインは許しても得点は許さない、という思想を持っていたようですが、スクリメージラインから離れている分ショートパスに弱い配置となっており、ランとショートパス中心(というかロングパスがほとんどなくなった)ガロポロにとってはこの上なくやりやすいディフェンスでした。
加えてラムズのエースCBジャレン・ラムジーはTEジョージ・キトルやWRディーボ・サミュエルに付くわけでもなく、スロット(外ではなく内側で3番手のWRと対することが多い)に入ることが多く蚊帳の外状態。ブリッツにもいきますが、この試合ガロポロはパス19回を投げて16ヤード以上先へのパスは0回、ほぼ全てのパスが10ヤード以内で、平均2.3秒でパスを投げるというクイックリリースぶり。これではブリッツをしかけても意味がありませんでした。たびたびキトルにつくこともありましたが、その時は完全にガロポロに避けられていました。
ラムズはLBボン・ミラーが移籍後初出場ということもあり、リーグ屈指のパスラッシュ力というのを前面に出して押さえ込もうとしたのかなと思いますが、結果はサック1回のみ。それを踏まえた49ersのグラウンドゲーム+超早撃ちオフェンスに惨敗したという結果でした。
バイウィークの間に…
バイウィークの後はパッカーズ戦ですが、調整すべき点はいろいろありそうです。
スタッフォード単体のパフォーマンスが1週で改善するかというとどうかと思いますが、Byeウィーク以降はランを増やしてくるんじゃないかと思います。今年のラムズはパスの割合がとても高く、特にレッドゾーンでのパス選択はリーグ最多の76回を記録。前節でもそうだったのですが、ランがよく出ていたにも関わらずパス比重が高く相手にうまくカバーされてしまっていたという部分がありました(常に追いかける場面だったということもありますが)。この試合では機会こそ少ないもののRBダレル・ヘンダーソンが5回のキャリーで31ヤード(平均6.2)、RBソニー・ミッシェルが4回で20ヤード(平均5)とよく走っていたため、次戦以降もっとランを増やしてリズムを作ることでスタッフォードのパスへの警戒も弱まるんじゃないかと思います。
またバイウィーク以降はパッカーズのWRデバンテ・アダムスやシーホークスのWR DK・メットカーフ、カーディナルスのWRディアンドレ・ホプキンスなどリーグを代表するWRたちと対峙することになります。ラムズには不動のエースCBジャレン・ラムジーがいるので、エースにはエースを当ててシャットアウトしてほしいですね。
連敗を喫してしまいましたが、このタイミングでのバイウィークは新加入したLBボン・ミラーやWRオデル・ベッカムJr.がチームに馴染んだりプレイブックを熟読するのに最適なタイミングとも言えます。昨年バッカニアーズが連敗後のバイウィークから全勝してスーパーボウルを獲ったことにラムズを照らし合わせる声もちらほらと上がっており、またマクベイHCが就任してからのラムズはバイウィーク明けの勝敗が3勝1敗と勝ち越していることもあるので、マクベイHCにはうまく調整してもらって後半立て直して欲しいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました!
次週のレビューはこちら
コメント