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【試合レビュー】LAラムズ 2021Week14 vsカーディナルス

ラムズ

試合結果

NFC西地区首位を走るカーディナルスとの大事な1戦は一進一退の激しい攻防戦となりました。

カーディナルスのFGで幕を開けた試合はカーディナルスペースで進行。続けてQBカイラー・マレーがエンドゾーン直前までボールを運び、前回対戦時のようにリードを広げられる厳しい展開か…と嫌なイメージが脳裏をよぎった瞬間にDTアーロン・ドナルドのパスラッシュとLBアーネスト・ジョーンズのインターセプトが決まり敗色ムードが一変。それをQBスタッフォードが9プレイでエンドゾーン手前まで運び、最後はWRオデル・ベッカムJr.へのタッチダウンパスで逆転に成功。その後は両社点を取り合い、13対13で前半を折り返します。

前半早々にスタッフォードが2本目のTDパスを決めると、直後のシリーズではマレーからTEザック・アーツへのパスをOLBレナード・フロイドがインターセプト!そしてスタッフォードが6プレイののち、WRクーパー・カップへのTDパスでリードを広げます。その後カーディナルスも追い上げますが、ラスト1ポゼッション差で迎えた4Q残り5秒の場面でDTアーロン・ドナルドによるこの日3つ目のサックで試合終了。

ラムズはカーディナルスと1勝差に迫る大事な勝利を手にしました。

立て直したオフェンス

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成功/試投成功率ヤード平均TDINT被サックレイティングBadThDrops
M.スタッフォード23/3076.7%2879.6303-20139.242
K.マレー32/4965.3%3447.8024-3972.191

QBマシュー・スタッフォードはパス30回中23回成功(成功率76.7%)、287ヤードで3TDを記録。レイティングは139.2と今季2番目の数値を記録しました。特にこの試合プレッシャーが掛かった割合が30.3%と今季最も高く、シーズンを通した平均14.7%と比べるとかなり攻められている中でこの数字はさすがですが、それもそのはず、スタッフォードがブリッツを仕掛けられた時のレイティングは132.3でリーグ1位とのこと。

この試合でのパフォーマンスは上記の通りですが、オフェンスの好調はプレーアクションの活用にもありそうです。スタッフォードはプレーアクションの場面では試投平均10.7ヤード、パス成功時の平均獲得15.4ヤードの両方でリーグ1位、またレイティング121はリーグ2位と素晴らしい成績を残しています。今季前半はプレーアクションをあまり使わなかったのですが、中盤からオフェンスが攻略され始めてからは頻度が少しずつ上がってきています(本当に少しずつですが)。この試合でもプレーアクションからのWRヴァン・ジェファーソンへの52ヤードのTDパスをプレーアクションで決めました。

リーグNo.1オフェンスライン

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30%のプレッシャーを許したOLですが、今シーズンはリーグNo.1と言っても過言ではないほど優秀なユニットとなっています。パスプロテクションが2.5秒以上維持できた割合では、LTアンドリュー・ウィットワースが93%でOTの中で3位RTロブ・ヘブンスタインも93%で5位と、2人ともOTのトップ10に入っています(小数点以下の誤差で順位が異なります)。またランブロックでの勝率もウィットワースが79%でOTの中では7位、LGデビッド・エドワーズが72%でGの中で9位にランクイン。総合でもラムズOLはパスプロテクションの勝率68%でリーグ2位、ランブロックは34%でリーグ1位につけています。

この試合ではカーディナルスの強力なパスラッシュに苦戦して3サックを許しましたが、依然として協力なユニットであることには変わりありません。この試合2Q最初のプレーでもOLやWRクーパー・カップ、WRオデル・ベッカムJr.など全員が完璧なランブロックでRBソニー・ミッシェルのランの道を作った場面は何度も見返してしまうほど綺麗でした…

ドナルドが試合を支配

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タックル5回(ソロ3回)、サック3回、タックルフォーロス3回で今シーズン最高のパフォーマンスを見せたDTアーロン・ドナルド。これにより5年連続二桁サックを達成しました。

ドナルドといえばどうしてもサックの数が気になってしまい、「さすがに30歳を超えると力も落ちてきたか?」と思ってしまうこともありますが、毎度おなじみセス・ウォルターさんが作成したダブルチームの割合(x軸)とパスラッシュの勝率(y軸)を示した表を見ると、今年も1人だけ別次元の位置にいることがわかります。

一瞬見つかりませんよね。右上ですよ!右上!

ESPNによればドナルドのパスラッシュの勝率は28%で、2位のクリス・ジョーンズの20%と比べても高いうえにダブルチームを約7割も受けているのですから、これ以上求めるものはないですね。

30歳を迎えてもまだまだ支配的な力を見せつけているので、次ジャージを買うときは99番を買ってもしばらくは安泰じゃないでしょうか。

そのほか気になったジョーンズ、ウィリアムス、ゲインズの活躍

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ディフェンスは23点を献上したものの、相手は強力なカーディナルスオフェンスということを考えれば全体的に健闘したと思います。個人的に特に気になった選手はLBアーネスト・ジョーンズ、CBダリウス・ウィリアムス、DE(NT)グレッグ・ゲインズの3人です。

アーネスト・ジョーンズはなんといっても1Q残り4:00、エンドゾーンまで残り4ヤードと絶対絶命の場面でのインターセプトでしょう。ドナルドのラッシュとボールチップによって軌道がずれたパスに反応して見事キャッチ。ここでTDを取られていたら完全に試合の流れはカーディナルスだったので、本当に貴重なINTとなりました。ジョーンズは前試合でも素晴らしい活躍を見せ、今後の成長に期待したいと思っていたのでこの活躍はとても嬉しかったです。

ダリウス・ウィリアムスは影の(というほど隠れてはいませんが)MVPといえるような活躍でした。カーディナルスのエースWRディアンドレ・ホプキンス相手に一歩もひかないカバーを見せて危機を救ってくれましたね。

最後はDEグレッグ・ゲインズ。タックル5回(ソロ3回)、サック1回、タックルフォーロス1回を記録したDEのゲインズですが、NTセバスチャン・ジェセフ・デイが怪我で欠場してからはNTとして出場しています。当初とは異なる役割ですが、この試合でもサックを決めるなどしっかり数字を残しています。またランストップの勝率は44%でDTとしての括りの中では3位にランクインするなど、今やラムズディフェンスに欠かせない存在となっています。

コロナの影響で出場した2選手の明暗

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この試合コロナの影響でCBジャレン・ラムジーとTEタイラー・ヒグビーが欠場しました。

タイトエンドポジションではヒグビーの代わりに今季初先発のケンダル・ブラントンが出場し、90%のスナップでプレーしました。ターゲット3回に対して2回のキャッチで29ヤードとレシーバーとしてはまずまずでしたが、3QのWRヴァン・ジェファーソンへのロングTDパスではスリップしながらもOLBマーカス・ゴールデンのラッシュをブロック。このブロックがなければスタッフォードは投げられていなかったかもしれないので、貴重なプレーでした。

一方でラムジーの代わりに出場機会を得たのは今季初出場のカリーム・オア。ターゲット5回中5回のパスを許し、66ヤードを献上しました。またスタッツには残っていませんが、1Q残り11分6秒の場面でオアが相手WRのA.J.グリーンについた際、グリーンに置き去りにされるどころかスピードに圧倒され転んでしまうという失態を犯しました。幸いマレーのミスによりインコンプリートになりましたが、あそこでタッチダウンを奪われていたら連敗時のように追いかける不利な展開となり試合展開は全く違っていたでしょう。ただ今後もコロナの影響で控えの出場機会が増えることが予想されるため、なんとか頑張ってほしいです。

Week15シーホークス戦のプレビュー

次戦は3勝8敗から49ers、テキサンズ相手に2連勝を決めて波に乗る同地区ライバルのシーホークス戦です。

成功/試投成功率ヤード平均TDINTレイティングラッシングヤードラッシングTD
M.スタッフォード315/46867.3%3,8988.3339108.4390
R.ウィルソン191/28766.6%2,3028164103.71411
今季のスタッツ比較

今季シーホークスとの対戦時は26対17で勝利を収めましたが、やはり心配なのがコロナによる選手の欠場です。シーズン終盤にきてオミクロン株の流行でアメリカ国内で爆発的に感染者が増えていますが、その影響で試合日時も日本時間22日(水)の午前に変更になりました。

ただこのカードにいたってはラムズ側のコロナ事情で延期になったという側面が強く、シーホークスに迷惑をかけたようなかたちですね…

主な怪我人、COVID-19リザーブ

シーホークス

シーホークス側のCOVID-19リザーブは下記7人のようです。(日本時間12/21(火)時点)

  • WRタイラー・ロケット
  • RBアレックス・コリンズ
  • CB D.J.リード
  • OTブランドン・シェル
  • RBトラビス・ホーマー
  • DEケリー・ハイダー
  • DTブライアン・モネ

ラムズ

ラムズ側のCOVID-19リザーブリストに入っている選手は下記13人です。(日本時間12/21(火)時点。赤字は主力級、もともと怪我でIRに入っている選手はカッコ書きで部位も記載)

  • OTロブ・ヘブンスタイン
  • OTジョー・ノートボーン
  • Gジャミル・デンビー
  • TEタイラー・ヒグビー
  • TEジョニー・ムント(膝)
  • OLBボン・ミラー
  • OLBオボニア・オクロンクオ
  • LBクリスチャン・ローズボーン
  • LBアントワーヌ・ブルックスJr.
  • Sジョーダン・フラー
  • Sテレル・バーゲス
  • Sジュジュ・ヒューズ
  • DTセバスチャン・ジョセフ・デイ(胸筋)

全員が欠場することが決定しているわけではありませんが、OTヘブンスタインが抜けるかもしれないのはでかいですね…ほかにも主力級のOLBミラー、オクロンクオ、Sフラーが抜けることでパスラッシュとパスディフェンスは厳しくなりそう。また前節に引き続きTEヒグビー不在は戦力ダウン必至ですが、前述のようにTEケンダル・ブラントンの活躍に期待したいです。

一方で先日までコロナリザーブに入っていたWRオデル・ベッカムJr.やRBダレル・ヘンダーソン、CBジャレン・ラムジーといったマスターピースは復帰したようなので一安心といったところ。

またコロナとは別にCBロバート・ロシェルが胸の怪我でIRに入りました。

首位のカーディナルスがライオンズに負けたことで、この試合に勝てば同率首位になるとても大事な試合。3年ぶりの地区優勝に向けて負けられない1戦です。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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