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【試合レビュー】LAラムズ 2021Week16 vsバイキングス

LAラムズ2021年Week16 vsバイキングス試合レビューラムズ

試合結果

シーズンもWeek16を迎えプレーオフ争いが熾烈を極めるなか、この試合に勝利すればプレーオフ進出を決めるラムズとプレーオフ進出を目指して負けられないバイキングスの1戦。

ラムズはバイキングスの最初の攻撃シリーズをLBアーネスト・ジョーンズのナイスタックルで3回の攻撃のみで抑えると、6分弱をかけてボールを運び最後はRBソニー・ミッシェルが1ヤードを押し込んで先制のタッチダウン。直後にバイキングスにレッドゾーンまで迫られるもLBトラビン・ハワードがインターセプトでピンチを救います。その後はラムズがFGを2回、バイキングスが1回決めて13対3で前半を折り返します。

後半に入るとこの日絶不調のラムズQBマシュー・スタッフォードが2連続を含む3つ目のインターセプトを取られます。直後にバイキングスにタッチダウンを奪われ3点差に迫られるも、リターナーのブランドン・パウエルが61ヤードのタッチダウンリターンを決めて流れを引き戻します。スタッフォードは調子が悪いながらもラン主体でゲームを組み立て、30対23でラムズを勝利に導きました。

ラムズはこの勝利を受けてNFC西地区単独首位に立ち、同時にプレーオフへの進出を決めました!

スタッフォード今季最低のパフォーマンスでも30点快勝

成功/試投成功率ヤード平均TDINT被サックレイティングBadThDrops
M.スタッフォード21/3756.8%1975.3130-046.881
K.カズンズ27/3871%2958.3113-2093.650

QBマシュー・スタッフォードはかろうじて1TDパスを記録したものの、パス獲得197ヤードで平均獲得5.3ヤード、インターセプト3回、そしてレイティングは驚異の46.8と、パサーとしてはいずれも今季最低。

それでも30点を奪って勝利できた大きな要因は下記かなと思いました。

  • 前半の少ないリードを守り切ったディフェンス
  • LTウィットワースを欠くOLが奮起
  • ラン主体でボールを前に進めた

前半の少ないリードを守り切ったディフェンス

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今季負けた試合はいずれも前半をビハインドで折り返し、後半パスに偏重するあまりリズムが崩れ、結果パスが通らないという悪循環で見るに耐えないものでしたが、この試合では前半に奪ったリードをディフェンスが最後まで守り切ったのが大きな勝因でしょう。

特に重要な場面での踏ん張りがすごかった。スタッフォードが自陣11ヤードでインターセプトをされた場面では、NTグレッグ・ゲインズのサックでロスさせると、LBトラビン・ハワード、Sテイラー・ラップのタックルでタッチダウンを阻止しました。

バイキングスはこの試合ラムズの総獲得ヤード356を上回る361ヤードを獲得しながらも、レッドゾーン・コンバージョンは5回中2回しか決められないなど、要所でラムズディフェンスが抑え切ったのがまず大きかったですね。

LTウィットワースを欠くOLが奮起

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LTアンドリュー・ウィットワースがCOVID-19リザーブに入ったため欠場。御年40歳の大黒柱を失ったOLは本来LGのデビッド・エドワーズがLTに入り、控えCのコールマン・シェルトンがLGに入るなど一部シャッフルが行われたうえ、試合前半にCブライアン・アレンが膝の負傷で試合を離れるアクシデントが発生。急遽シェルトンがセンターに入りエドワーズがLGに、そしてテキサンズ戦以来のオフェンス出場となるアラリック・ジャクソンという新人が大事なLTを務めることになりました。

バイキングスはチーム全体のサックが44回でリーグ1位を誇るほどパスラッシュに秀でているチームでしたが、この日スタッフォードにかかったプレッシャーは15.8%で今季の平均ほど。2Q残り4分程の場面ではシェルトンが崩され、結果的にスタッフォードの最初のインターセプトに繋がってしまいましたが、ポジションチェンジがあったこと、そしてサックを0に押さえたことを考えれば素晴らしい活躍だったと言えるでしょう。

ラン主体でボールを前に進めた

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バイウィーク以降はパスに比べてランの比率が高くなっているのは当ブログでもよく書いていますが、この試合スタッフォードのパス精度が低いことからもランの比率が高くなり、パス37回に対してラン33回と概ね半々の割合となりました。またファーストダウンの合計獲得は22回でしたが、その際のプレイはラン・パスともに11回と同じ回数で獲得していることからも、いかにこの試合ランがよく出ていたかがわかります。

そんなランプレイの主役となったのはなんと言ってもRBソニー・ミッシェルですね。ラン27回で131ヤード(平均4.9)を走り、今季合計で走った728ヤードはRBダレル・ヘンダーソンの688ヤードを抜いてチームトップになりました。シーズン中盤まではヘンダーソンの活躍が目立ちましたが、ヘンダーソンの怪我もあって出場機会が増えたとともに調子を上げてきており、前半7試合でのラン獲得平均は3.7ヤードだったのに対し、Week8以降は平均4.6ヤードを記録しています。

ミッシェルはこの試合でも当たりの強さを生かし、タックルされた後にさらに前に進むセカンドエフォートでガンガンボールを前に進めてくれました。もちろん道を作ったOLの活躍や、レシーバーの各項目でトップを走るWRクーパー・カップによるランブロックのおかげでもあります。一方でWRヴァン・ジェファーソンはランブロック全然うまくならないですね…

またヘンダーソンが膝の負傷でIRに入ってしまいましたが、アキレス腱断裂でシーズン開始前に今季絶望と言われていたRBキャム・エイカーズがIRから復帰しました!一部ではレイブンズ戦から試合復帰するかもという話もありますが、それはさすがに難しいんじゃないかと個人的には思っています。ただプレーオフに向けてエースRBが戻ってくるというのは出来すぎたシナリオですね。エイカーズの軽やかなカットバックがプレーオフで見られることを期待しましょう。

その他気になったこと

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OBJことWRオデル・ベッカムJr.がTDレシーブを決めました。ブラウンズでの6試合でタッチダウン0回だったのに対し、ラムズでの6試合で4回のTDレシーブを決めているので、OBJ的にも移籍してきて良かったと思っているんじゃないでしょうか。ただやはりWRクーパー・カップと比べるとレシーブ機会など雲泥の差があるので、いつ不満が爆発するか。。それにしてもOBJのセレブレーションってラムズの雰囲気に合わないんですよね。サラリーとは別に、こういったところから来季はチームにいないんじゃないかとか思っちゃいます。

バイキングス最初の攻撃シリーズをシャットアウトしたLBアーネスト・ジョーンズですが、前半のうちに足首の負傷で退場、そしてIRに入ってしまいました。素晴らしい洞察力でボールキャリアを見つけ、素早くタックルを決めるジョーンズは今やなくてはならない存在となっていたため、ジョーンズ不在はかなりの痛手となりそうです…

また3Qに61ヤードのタッチダウンリターンを決めたのがブランドン・パウエル。近年あまり良いリターナーが出てきませんでしたが、パウエルは久しぶりにワクワクする走りを見せてくれますね。この試合でもインターセプトが2度、そして3アウトチェンジと悪い流れが続いたのを断ち切ってくれた素晴らしいリターンでした。

プレーオフの展望と理想の展開

レギュラーシーズンは2試合を残した現在のNFCプレーオフ進出圏内7チームと進出を狙う11位までのチームは下記のようになっています。

順位チーム勝敗今後の対戦相手現時点でのプレーオフでの対戦相手
1位パッカーズ12勝3敗バイキングス
@ライオンズ
ラウンドバイ
2位カウボーイズ11勝4敗カーディナルス
@イーグルス
7位のチーム(イーグルス)
3位ラムズ11勝4敗@レイブンズ
49ers
6位のチーム(49ers)
4位バッカニアーズ11勝4敗@ジェッツ
パンサーズ
5位のチーム(カーディナルス)
5位カーディナルス10勝5敗@カウボーイズ
コルツ
4位のチーム(バッカニアーズ)
6位49ers8勝7敗テキサンズ
@ラムズ
3位のチーム(49ers)
7位イーグルス8勝7敗@ワシントン
カウボーイズ
2位のチーム(カウボーイズ)
8位セインツ7勝7敗パンサーズ
@ファルコンズ
圏外
9位バイキングス7勝8敗@パッカーズ
ベアーズ
圏外
10位ファルコンズ7勝8敗@ビルズ
セインツ
圏外
11位ワシントン6勝9敗イーグルス
@ジャイアンツ
圏外

ラムズはバイキングス戦の勝利を受けてNFC第3シードまでジャンプアップし、同時にプレーオフへの出場権を獲得しました!

しかし仮にこの順位でプレーオフを戦う場合、初戦は現在6位の49ersと戦うことになります。が、これはなんとしても避けたい…正直他のどのチームよりも49ersに勝てるイメージが湧きません。かと言ってカーディナルスも五分五分といったところなので、ラムズの理想的なプレーオフの展開は、NFC第2シードとなり、NFC7位のチームと当たることだと思います(ちなみにパッカーズには今季敗北しているので、ラムズがNFC第1シードを手にするにはラムズが全勝、パッカーズが全敗しなければいけないため現実的ではありませんね)。

そのため49ersとプレーオフで当たらないようにするには残り2試合を全勝してカウボーイズが1敗以上することが条件。しかし49ersと当たらないこと(=49ersが7位にならないこと)も条件として含めるのであれば、ラムズ全勝でカウボーイズ1敗以上かつ49ers全敗もしくは1敗かつイーグルス全勝、といったところでしょうか。いずれにせよラムズが最終戦の49ersに敗北すると、カーディナルスか49ersあたりと当たることになるかもしれません。上記理想のシナリオは最終戦で49ersに勝利することが条件ではあるので、逆に49ersに敗北してそのままプレーオフ初戦で49ersと当たると苦手意識全開でぶつかることになるので、レギュラーシーズン最終戦の49ers戦はなんとしても勝ちたい試合となっています(勝った結果49ersと当たる可能性もなくはないので難しいところですが…)。

シーズンもいよいよ最終盤!他のチームの同行もチェックしながら残り2試合を全力で楽しみましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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