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【2022戦力まとめ】LAラムズ ポジションごとの戦力まとめ

2022年LAラムズ各ポジション戦力まとめラムズ

第56回スーパーボウルを制覇したロサンゼルス・ラムズ。連覇を狙い戦力の維持に努めましたが、開幕直前に各ポジションごとに戦力をまとめました。

各ポジションのはじめに昨季の最終ロースターと今季のロースターの比較表も記載していますので、誰が去って誰が残ったか見比べてみるのも楽しいですね。そして各ポジションの最後にはA~Dで主観的に評価をしてみましたので参考にしていただければと思います。

デプスチャート

まずは全体のデプスチャートから。このデプスチャートはESPNを参考に記載しています。

オフェンス

スターター2nd3rd4th
QB#9 マシュー・スタッフォード#13 ジョン・ウォルフォード#16 ブライス・パーキンス
RB#3 キャム・エイカーズ#27 ダレル・ヘンダーソン#23 カイレン・ウィリアムズ#34 ジェイク・ファンク
WR#10 クーパー・カップ#18 ベン・スコロニク#82 ランス・マッカチョン
WR#1 アレン・ロビンソン#15 トゥトゥ・アトウェル#17 J.Jコスキ
WR#12 ヴァン・ジェファーソン #19 ブランドン・パウエル
TE#89 タイラー・ヒグビー#88 ブライセン・ホプキンス
LT#70 ジョー・ノートブーム#77 A.J ジャクソン
LG#73 デビッド・エドワーズ#72 トレメイン・アンチュラムJr.
C#55 ブライアン・アレン
RG#65 コールマン・シェルトン#60 ローガン・ブラス
RT#79 ロブ・ヘブンスタイン#71 ボビー・エバンス

ディフェンス

スターター2nd3rd4th
DE#94アショーン・ロビンソン#93 マーキーズ・コープランド
NT#91 グレッグ・ゲインズ#92 ジョナ・ウィリアムス#95 ボビー・ブラウン
DT#99 アーロン・ドナルド#97 マイケル・ホイト
OLB#54 レナード・フロイド#96 カイアー・トーマス#44 ダニエル・ハーディ
OLB#58 ジャスティン・ホリンズ#52 テレル・ルイス
ILB#45 ボビー・ワグナー#56 クリスチャン・ローズブーム#39 ジェイク・ジャーバス
ILB#53 アーネスト・ジョーンズ#59 ジェイク・ハメル#32 トラビン・ハワード
CB#2 トロイ・ヒル#31 ロバート・ロシェル#6 デリオン・ケンドリック
CB#5 ジャレン・ラムジー#22 デビッド・ロングJr.#14 コービー・デュラント
SS#24 テイラー・ラップ#4 ジョーダン・フラー
FS#33 ニック・スコット#26 テレル・バーゲス#43 ラス・イースト#37 クエンティン・レイク

スペシャルチーム

スターター
P#11 ライリー・ディクソン
K#8 マット・ゲイ
PR/KR#19 ブランドン・パウエル

コーチ陣

  • HC:ショーン・マクベイ
  • OC:リアム・コーエン
  • DC:ラヒーム・モリス

ヘッドコーチはラムズを指揮して今年で6年目のショーン・マクベイ。史上最年少でNFLのヘッドコーチに就任、最年少でスーパーボウルに進出した彼は、先のスーパーボウルで36歳10か月と17日というマイク・トムリン(現スティーラーズ)の記録を抜き、36歳と20日で史上最年少のスーパーボウル優勝ヘッドコーチにもなりました。

念願のスーパーボウル制覇を果たしたマクベイはキャスターに転身するのではという噂もありましたが、オフに年1,500〜1,800万ドル(約21億〜25億円)で契約を更新。契約年数は公表されていないようですが、5年ほどの契約を結んだという話も。GMのレス・スニードも契約更新される予定のようなので、このコンビはしばらく見られそうですね。

マクベイHCの学生時代や経歴などに関しては下記で詳しく書いていますので興味があればご覧ください。

OCはバイキングスのHCに就任した前任のケビン・オコネルの代わりにリアム・コーエンが加入。コーエンは2018年〜2020年までラムズに在籍し、18、19年にはアシスタントWRコーチを、20年にはアシスタントQBコーチを務めました。21年はケンタッキー大学でOC兼QBコーチを務めたあと、ラムズに戻ってきました。

DCのラヒーム・モリスは一昨年までファルコンズのDCと臨時のHCを担当し、昨年からラムズに加入しました。別のチームでHCに復職するかもという噂はあったようですが、結局残留したみたいですね。スティーラーズのマイク・トムリンHCがリーグ全体のトップ5のコーチとしてランク付けするなど、コーチング能力は折り紙付き。ただ昨年のディフェンスは総喪失ヤード5,863で17位、372失点で18位とオフェンスの足を引っ張ったかたち。2年目の今年は昨年はじめよりもディフェンスの戦力は揃っている印象なのでもう少し結果を残して欲しいですね。

次からはオフェンスの戦力について見ていきます。

オフェンス戦力

ジャレッド・ゴフがQBを務めた2020年シーズンとの比較で見ていきます。

2020(16試合)2021(17試合)
獲得ヤード6,032(平均377)
11位
6,325(平均372)
9位
パス獲得4,014(平均250.8)
13位
4,642(平均273.1)
5位
ラン獲得2,018(平均126.1)
10位
1,683(平均99)
25位
得点372(平均23.3)
23位
460(平均27.1)
8位
2020年と21年のオフェンススタッツ比較

2021年シーズンは獲得トータルヤードが6,325(試合平均372)でリーグ9位とまずまずでしたが、パスが4,642ヤード(平均273.1)で5位に躍進したのは間違い無くQBマシュー・スタッフォードの力でしょう。前フランチャイズQBのジャレッド・ゴフも好きですが、やはりスタッフォードがいたからこそのスーパーボウル制覇でしたね。

一方でランは平均で27ヤードほど低下しているのは、やはり絶対的なエースRBの不在が原因。まあ結果的にスーパーボウル制覇したんで些末なことですが。

というか、後述しますがRBは基本使い捨てみたいな存在になっているので、あと数年は絶対的なエースRBというのは出てこないんじゃないかと思います。少なくともFAで高額RBを取ることはないかと。

次からは各ポジションごとにスタッツを見ていきます。

クォーターバック

2021年最終ロースター2022年ロースター
マシュー・スタッフォードマシュー・スタッフォード
ジョン・ウォルフォードジョン・ウォルフォード
ブライス・パーキンスブライス・パーキンス
QBの2021年と2022年のロースター比較

先発/出場パス成功/試投成功率YdsTDINTレイティング
マシュー・スタッフォード17/17404/60167.2%4,8864117102.9
ジョン・ウォルフォード0/31/425%5010
ブライス・パーキンス
QBの2021年スタッツ

QB陣は昨年と変わらず。QB1はもちろん、苦節13年目で移籍後即栄冠を手にしたQBマシュー・スタッフォード。レギュラーシーズン全試合に先発、12勝5敗でラムズをNFC西地区優勝に導きましたパス獲得4,886ヤード(リーグ3位)、成功率67.2%(同10位)、41TDパス(同2位)、レイティング102.9(同6位)。移籍1年目としては最高の活躍をしてくれましたが、気になるのはインターセプトを喫した割合がキャリアで3番目に高い2.8%(17回)を記録したこと。システムの習熟やチームメイトとの連携が不十分だったという点は否めませんが、昨年敗北した5試合のうち4試合で複数回インターセプトを取られています。試合前半でリードを許し、一発逆転を狙ってINTを量産してしまいました。ライオンズ時代の2016年〜20年までのINT率は2%以下だったので、慣れてきている2年目はもう少し安定したパフォーマンスを見せてくれるんじゃないでしょうか。

懸念はオフに行った肘の手術の影響。完全な状態でシーズン開幕を迎えられるかが微妙なかたちですが、本人やマクベイHCは一貫して問題ないことを主張。弱みを見せないためのポーズなのかはわかりませんが、その言葉を信じるしかないでしょう…

ちなみにスタッフォードの通算パス獲得ヤードは現在49,995ヤード。出場さえすれば初戦で5万ヤードの大台は達成できますね。2026年までの契約を獲得しているので、今後ラムズでどこまで数字を積み重ねていってくれるか楽しみです。

控えQBはジョン・ウォルフォードとブライス・パーキンス。ウォルフォードは機動性がありますがパス精度はイマイチ。パーキンスはさらに走れてスピンムーブなんかも決めちゃうんですが、すぐにスクランブルに逃げちゃう印象があります。まあラムズはプレシーズンに先発級の選手は出場しないので、OLも貧弱、パスターゲットもスペシャルチームを担当している選手が出ているということを踏まえればまだまだ未知数。そういった意味でもウォルフォードよりもパーキンスの方が楽しみな選手かもしれません。ただウォルフォードも苦労人で、とても勤勉なので両方とも頑張って欲しい…

スタッフォードの肘の状態が問題なければ今年も素晴らしい活躍を見せてくれることは間違い無いでしょう。あとはどれだけ焦ってインターセプトを取られないかが重要でしょうか。

総合評価:A+

ランニングバック

2021年最終ロースター2022年ロースター
キャム・エイカーズキャム・エイカーズ
ダレル・ヘンダーソンJr.ダレル・ヘンダーソンJr.
ソニー・ミシェルカイレン・ウィリアムズ
ジェク・ファンクジェイク・ファンク
RBの2021年と2022年のロースター比較。赤字が移籍やカット、緑が新加入など

先発/出場ランYds平均TDレシーブキャッチ%Yds平均TD
キャム・エイカーズ0/15回30.603回100%103.30
ダレル・ヘンダーソン10/12149回6884.652972.5%1766.13
カイレン・ウィリアムズ
ジェイク・ファンク
RBの2021年スタッツ

RB1は昨シーズン終わりにアキレス腱断裂の怪我から復活したキャム・エイカーズ。ポスト・トッド・ガーリー時代のエースRBと目されていますが、エースと呼ぶにはまだ早いかなと。今年は3年目なので勝負の年になってくるでしょう。

おそらくエイカーズと同じくらいボールを持つのが4年目のダレル・ヘンダーソンJr.。昨年のラン獲得ヤードは688で平均4.6ヤードと、RBではリーグ14位とまずまずの成績を残しています。パスもそれなりにキャッチできるので、今年も安定した成績は残してくれるんじゃないでしょうか。ただヘンダーソンは今季でルーキー契約が切れます。ラムズの方針やキャップスペースからいってRBにお金を使うことは現状ないので、よほど安く契約ができなければまたドラフト3巡か4巡あたりで新しいRBを獲得するんじゃないでしょうか。

カイレン・ウィリアムズは今年のドラフト5巡目(全体164位)で獲得した選手。ブロックとレシーブ能力が持ち味のようですが、基本的にはスペシャルチームで出場し、来年以降出てくるようになるんじゃないかと思います。

ジェイク・ファンクは名前がかっこいいです。

RBの補強はドラフト5巡目のウィリアムズのみなので、やはりRBにはお金はかけたくないということです。これには完全にトッド・ガーリーとの大型契約の失敗が尾を引いていますね。もうトラウマと言ってもよいでしょう。昨年RB陣は低予算で回してスーパーボウルを制覇してしまったので、しばらくこの方針は続くと見られます。

昨年ヘンダーソンと両輪の活躍をしたソニー・ミシェルはFAでドルフィンズに行った後、オフシーズン中にリリースされチャージャーズへと流れ着きました。

前述の通り、昨年はラン獲得1,683でリーグ25位に低迷していながら戦力補強は行なっていないため、正直RB陣にはあまり期待していないです。怪我から復帰のエイカーズが復調し、さらに覚醒してくれたら万々歳という感じでしょうか。

総合評価:C+

ワイドレシーバー

2021年最終ロースター2022年ロースター
クーパー・カップクーパー・カップ
オデル・ベッカムJr.アレン・ロビンソン
ヴァン・ジェファーソンヴァン・ジェファーソン
ロバート・ウッズベン・スコロニク
トゥトゥ・アトウェルトゥトゥ・アトウェル
ベン・スコロニクブランドン・パウエル
ランス・マッカチョン
WRの2021年と2022年のロースター比較。赤字が移籍やカット、緑が新加入など

先発/出場レシーブYds平均TDキャッチ%ADOT
クーパー・カップ17/17145回194713.41675.9%8.6
ヴァン・ジェファーソン17/1750回80216656.2%13.5
ベン・スコロニク1/1411回13312.1055%10.5
アレン・ロビンソン11/1238回41010.8157.6%11
WRの2021年スタッツ

昨年レシーブ回数、レシーブヤード、レシーブTDのトリプルクラウンを獲得したクーパー・カップが正真正銘のエースWRとなります。昨年まではロバート・ウッズと二枚看板でしたが、ウッズは昨年11月に膝の負傷でシーズンエンド。そしてオフにタイタンズへトレード移籍をしたので、昨年スタッフォードのパスの約1/3のターゲットとなったカップが今年もメインターゲットとなります。カップはスピードはそれほどありませんが、アグレッシブなプレーでコンタクトにも強く、タックルされてからのセカンドエフォートで距離を稼いでくれます。キャッチ力も年々成長しており、昨年は2年前より50回近く多い92レシーブを記録しましたが、キャッチ成功率は75.9%でキャリアハイを記録。今年もさらなる進化が期待できます。

3年目のヴァン・ジェファーソンはカップとは対照的にスピードでディープに走ることができる選手。しかしレシーブ能力にはまだまだ成長の余地があり、キャッチ成功56.2%といささか不安定な部分があります。とはいえ昨年はロングパス要員として802レシーブヤード、6タッチダウンを記録するなど成長はしているので、確実に出番が増える今年はさらなる飛躍に期待したいです。が、開幕前に膝の手術を受けたことで開幕には間に合わないとのこと…一刻も早い復帰を願います。

この2人に加え、元ベアーズのアレン・ロビンソンを3年4,650万ドル(約67億円)で獲得しました。昨年は怪我の影響もありレシーブ410ヤードに終わりましたが、レシーブ1,000ヤード越え3回のベテランはスタッフォードの強力な武器になってくれるでしょう。

あとは190cm、101kgの恵まれた体格のベン・スコロニクや、昨年のドラフト最上位のトゥトゥ・アトウェルなどがいますが、ジェファーソンが健康を取り戻したら出場機会は限られてくるでしょう。スコロニクはもう少しパスを取れるようになってくれれば出番が増えると思うんですが…

ちなみにプレシーズンで大活躍したランス・マッカチョンですが、53人のロースターには入ったものの、レス・スニードGMいわく今年の出番はないだろうとのこと。今年ドラフト外で入団したマッカチョンはプレシーズンでの3試合で259レシーブヤード、2TDを記録するなど少し期待していたのですが、逆に言えば出場しないと言われている選手のために大事な枠を使って確保したということですから将来性を買われているということでしょう。とはいえジェファーソンも間に合わなそうなのでチャンスはありそうです。

一方で気になるのはオデル・ベッカムJr.との契約。スーパーボウルでは先制のタッチダウンレシーブを決めるなど必要不可欠な存在となっていましたが、その試合で膝を負傷し途中交代。そのままFAとなってしまいました。しかしOBJ自身も、そしてチームもメディアを通してラブコールを送り合っている状態なので、怪我の状態がよくなるであろうシーズン中盤か後半に復帰というシナリオが見えてきます。その頃には誰かが負傷している可能性もありますしね…

ちなみにラムズの練習施設のロッカールームにはまだOBJの名前が入ったロッカーが残っているそう。これは異例のようで、やはり席は空けているということなのでしょうか…

ウッズのトレードやOBJの離脱によってできた穴はロビンソンが埋めてくれるでしょう。しかしジェファーソンの怪我の具合次第ではスコロニクやアトウェルが開幕から出場機会が増えそう。そうなってくると層の薄さが響いてきそうです…

総合評価:B+

タイトエンド

2021年最終ロースター2022年ロースター
タイラー・ヒグビータイラー・ヒグビー
ケンダル・ブラントンブライセン・ホプキンス
ジョニー・ムント
ブライセン・ホプキンス
TEの2021年と2022年のロースター比較。赤字が移籍やカット、緑が新加入など
先発/出場レシーブYds平均TDキャッチ%
タイラー・ヒグビー15/1561回5609.2571.8%
ブライセン・ホプキンス0/51回990100%
TEの2021年スタッツ

不動のTEタイラー・ヒグビーですが、ポストシーズンで負傷した膝の影響でスーパーボウルには出場できず。怪我からの復帰を目指していますが、プレシーズンにも出場しませんでした。まあラムズは主力をプレシーズンで出場させないのでそれは予想の範囲ですし、練習への参加やロースターにTEが2人しかいないのを見ると開幕から出場できそうなのではないかと思います。

もう一人のタイトエンド、ブライセン・ホプキンスは昨季ほとんど出番がありませんでしたが、ヒグビーとジョニー・ムントの負傷によりスーパーボウルに出場。4回のターゲット全てでキャッチ成功し、47ヤードを稼ぐなど予想外の活躍を見せて勝利に貢献しました。パスキャッチもでき、スピードもあるので今年ブレイクするかもしれませんね。

ジョニー・ムントはバイキングスへ、ポストシーズンで1TDを挙げたケンダル・ブラントンはドルフィンズを経てチーフスに移っています。

ヒグビーが健康であればTEは問題ありません。ホプキンスも1、2割程度のスナップで出場してくると思うので、ホプキンスの成長にも期待したいです。

総合評価:B+

オフェンスライン

2021年最終ロースター2022年ロースター
アンドリュー・ウィットワース(LT)ジョー・ノートブーム(LT)
デビッド・エドワーズ(LG)デビッド・エドワーズ(LG)
ブライアン・アレン(C)ブライアン・アレン(C)
オースティン・コルベット(RG)コールマン・シェルトン(RG)
ロブ・ヘブンスタイン(RT)ロブ・ヘブンスタイン(RT)
ジョー・ノートブームトレメイン・アンチュラムJr.
A.J,ジャクソンA.J,ジャクソン
ボビー・エバンスボビー・エバンス
トレメイン・アンチュラムJr.ローガン・ブラス
コールマン・シェルトン
OLの2021年と2022年のロースター比較。赤字が移籍や引退、緑が新加入など

先発/出場PFFグレード
ジョー・ノートブーム(LT)2/1576
デビッド・エドワーズ(LG)17/1766.9
ブライアン・アレン(C)16/1680.2
コールマン・シェルトン(RG)2/1757.7
ロブ・ヘブンスタイン(RT)15/1581.5
OLの2021年スタッツ

昨年のスーパーボウル制覇の影の立役者だったのがこのOL陣。許したサックは31回でリーグ同率6位を記録するなど、安定してスタッフォードを守りました。特に両タックルのアンドリュー・ウィットワース(LT)とロブ・ヘブンスタイン(RT)は安定感抜群で、ウィットワースのパスブロックの勝率が94%でタックルの中で3位、ヘブンスタインが93%で5位と素晴らしい活躍をしてくれました。

espn.comより引用

しかし40歳を迎えたウィットワースは「まだ戦いたいという気持ちはあるが、もう体がそれを望んでいない」と引退を表明。チームにとっては大きな痛手ですが、昨季ウィットワースが欠場した試合で見事にスタッフォードを守ったジョー・ノートブームと3年4,750万ドル(約68億円)で契約更新をして穴を埋めます。

センターのブライアン・アレンも昨年は素晴らしいシーズンを過ごし、PFFグレードは80.2を記録。こちらも3年1,800万ドル(約25.7億円)で契約を延長しました。

LGデビッド・エドワーズはそのままですが、RGオースティン・コルベットはパンサーズに移籍。代わりにラムズが持つドラフト最上位である3巡目(全体104位)でローガン・ブラスを指名しましたが、プレシーズンのテキサンズ戦で膝を負傷しシーズンエンド。これで2年連続でドラフト最上位が怪我で出場できないという不名誉なことになりました。やはりドラフトは信用ならない…

ということでコールマン・シェルトンがRGに入りますが、昨年の限られた出場の中では悪くない印象。試合中アレンの負傷によりセンターに入って崩されるなどはありましたが、しっかりシーズンを通して出場するのは初めてなので楽しみでもあり、やはり少し不安な部分もあります。

ウィットワースの引退や新人ブラスのシーズンエンドなど懸念はありますが、RGシェルトンが持ち堪えられれば十分戦える戦力が残ったと思います。

総合評価:B

ディフェンス戦力

ここからはディフェンス編です。

20202021
喪失ヤード4,511(平均281.9)
1位
5,863(平均344.9)
17位
パス喪失3,051(平均190.7)
1位
4,109(平均241.7)
22位
ラン喪失1,460(平均91.3)
3位
1,754(平均103.1)
6位
失点296(平均18.5)
1位
372(平均21.9)
15位
2020年と21年のディフェンススタッツ比較

今季のラムズディフェンスは1試合の喪失ヤードが344.9でリーグ17位、失点が21.9点で15位。2020年にはパス喪失ヤード190.7でリーグ1位を誇っていましたが、21年は241.7ヤード(22位)へと転落。昨年はDBに怪我人が目立つなど苦労しましたが、代わりにSニック・スコットなど楽しみな選手も出てきました。

スターターは昨年よりも力のある選手が揃っている印象ですが控えが弱いのが懸念なので、怪我人が増えてきたときにどうなるか…

ディフェンスライン

2021年最終ロースター2022年ロースター
アーロン・ドナルドアーロン・ドナルド
セバスチャン・ジョセフ・デイグレッグ・ゲインズ
アショーン・ロビンソンアショーン・ロビンソン
グレッグ・ゲインズマーキス・コープランド
ボビー・ブラウン三世マイケル・ホイト
マイケル・ホイトジョナ・ウィリアムズ
ジョナ・ウィリアムズ
マーキス・コープランド
DLの2021年と2022年のロースター比較。赤字が移籍や引退、緑が新加入など

先発/出場タックルソロTFLQBヒットサックファンブルフォース
アショーン・ロビンソン(DE)14/1767332222
アーロン・ドナルド(DT)17/178446192512.54
グレッグ・ゲインズ(DT/NT)13/1755284134.50
主なDLの2021年スタッツ

ラムズの顔であるDTアーロン・ドナルドは一時引退を示唆しましたが、契約を見直してQB以外で史上最高額である平均3,160万ドル(約45.7億円)という金額を携えて帰ってきました。それまでの年俸が平均2,250万ドル(約32.5億円)なので、確かに活躍や存在感からすれば少なかったのでまあ妥当とも言えるでしょう。昨年はランディフェンスでも存在感を示し、タックルの数は前年の45回から倍近くの84回を記録。化け物のようなパスラッシュのせいで見落とされがちですが、ランディフェンスでもドナルドがチームを率いています。

今年4年目のグレッグ・ゲインズは昨年成長を見せた選手の一人。シーズン序盤は3〜4割のスナップでしかプレーしていなかったものの、セバスチャン・ジョセフ・デイ(今季はチャージャーズに移籍)の怪我で出場機会を得ると期待以上の活躍を見せてくれました。今季は開幕から先発で出場するのでさらなる飛躍が期待できます。

アショーン・ロビンソンは昨年スナップの半分ほどしかプレーせず。サックは2回と少なく、パスラッシュはそこまで強くありませんがタックル67回を記録するなどランストップを得意としています。

セバスチャン・ジョセフ・デイが抜けた以外は変化はなく、今年もドナルドを主体としたパスラッシュで相手QBにどれだけプレッシャーを掛け、サックを奪えるかが見所です。ボビー・ブラウン三世は禁止薬物使用の影響で開幕から6試合の出場停止が科されており、それが明ければロースター入りしそうです。

総合評価:A-

ラインバッカー

2021年最終ロースター2022年ロースター
レナード・フロイド(OLB)レナード・フロイド(OLB)
ジャスティン・ホリンズ(OLB)ジャスティン・ホリンズ(OLB)
ボン・ミラー(OLB)テレル・ルイス(OLB)
オボニア・オクロンクオ(OLB)カイアー・トーマス(OLB)
クリス・ギャレット(OLB)ダニエル・ハーディ(OLB)
トロイ・リーダー(ILB)ボビー・ワグナー(ILB)
アーネスト・ジョーンズ(ILB)アーネスト・ジョーンズ(ILB)
クリスチャン・ローズブーム(ILB)クリスチャン・ローズブーム(ILB)
トラビン・ハワード(ILB)ジェイク・ハメル(ILB)
トラビン・ハワード(ILB)
LBの2021年と2022年のロースター比較。赤字が移籍や引退
・カット、緑が新加入、怪我から復帰など

先発/出場タックルソロTFLQBヒットサックINTファンブルフォース
レナード・フロイド(OLB)17/177377189.511
ジャスティン・ホリンズ(OLB)2/8221411201
テレル・ルイス(OLB)4/11221543301
アーネスト・ジョーンズ(ILB)7/17613613120
ボビー・ワグナー(ILB)16/161709333111
主なLBの2021年スタッツ

インサイド・ラインバッカーで昨年から残ったのは2年目のアーネスト・ジョーンズのみ。シーズン中盤から先発に定着すると、ランディフェンスやパスカバレッジはもちろん、ブリッツでも存在感を放ちます。またボールキャリアを見つけてタックルにいくのが早いのも魅力。昨年のドラフトで一番の当たりだったと思っています。このまま成長してチームに残ってくれたらジャージが欲しいくらいには好きな選手です。

もう一人のILBには同地区のシーホークスからリリースされたスタープレーヤーのボビー・ワグナーを5年5,000万ドル(約72億円)、最大6,500万ドル(約94億円)で獲得しました。昨年DLの後ろであるボックスにパスをひょこひょこ通されるなど、インサイドが弱かったのでそこを補強したかたち。ただスーパーボウル制覇に大きく貢献してくれたOLBボン・ミラーがビルズに移籍しましたが、その抜けたアウトサイドは一切穴埋めをしていません。それどころか成長の兆しを見せていたOLBオボニア・オクロンクオもテキサンズへ移籍してしまいます。ラムズディフェンスは基本的にドナルドのラッシュが柱となりますが、周りがそれをどれだけサポートできるか、あるいはドナルドに集中しているブロックを掻い潜って他の選手がラッシュをかけられるかというのも重要なので、パスラッシュ能力が高い選手がいると全体が機能します。そのため、いわゆるEDGEの補強がなかったのは気がかりです。

アウトサイドはレナード・フロイドが主力。フロイドとは2021年に4年6,400万ドル(約92億円)で契約をしましたが、昨年のシーズンが始まる前にはこれが「最悪の契約」と評されました。しかしシーズンが終わってみれば9.5サック、タックルフォーロス7回、QBヒット18回と、キャリアハイに近い成績を残してくれました。しかし前半9試合で7.5サックを決めるも、後半8試合では2サックと少々息切れをしたシーズンだったので、今年はシーズン通して安定した活躍をしてほしいです。

ジャスティン・ホリンズとテレル・ルイスはまだ若い二人ですが、昨年は怪我に悩まされて不完全燃焼に終わりました。ただ全試合出場してもまだ成長の余地はありそうなので、シーズン中盤くらいにテコ入れの対象になりそうなポジションです。

昨年一番と言っていいくらいの弱点だったインサイドはワグナーの加入によって大幅にグレードアップしたんじゃないかと思います。2年目のジョーンズにも注目です。一方でアウトサイドで計算できるのはフロイドだけなので、シーズン途中で補強対象となりそう。ただインサイドもアウトサイドも層が薄いので、誰かが怪我をすると一気に崩れそうな脆いポジションです。

総合評価:B

コーナーバック

2021年最終ロースター2022年ロースター
ジャレン・ラムジージャレン・ラムジー
ダリウス・ウィリアムストロイ・ヒル
デビッド・ロングJr.デビッド・ロングJr.
ロバート・ロシェルロバート・ロシェル
ドンテ・ディーヨンコービー・デュラント
グラント・ハーレイジョナ・ウィリアムズ
デリオン・ケンドリック
CBの2021年と2022年のロースター比較。赤字が移籍や引退、緑が新加入など

先発/出場タックルソロTFLQBヒットINTPass Comp%レイティング
ジャレン・ラムジー16/16776291459.2%71.1
デビッド・ロングJr.5/16403500160.9%84.9
ロバート・ロシェル5/11141100160.9%82.3
トロイ・ヒル4/12493473073.8%129.7
CBの2021年スタッツ。カッコ内はプレーオフのスタッツ

ラムズディフェンスの中心となるのはDTアーロン・ドナルドとこのCBジャレン・ラムジー。昨年もタックル77回、タックルフォーロス9回、インターセプト4回で3度目のオールプロに選ばれるなどリーグを代表するコーナーバックです。しかし肩の手術を行ったことで、完全な状態で開幕を迎えられるのかが懸念です。

No.2だったダリウス・ウィリアムスがジャガーズに移籍したため、2020年までラムズに在籍し、21年にブラウンズに移籍したトロイ・ヒルをトレードで獲得。20年にはリターンタッチダウンを2度決めるなど活躍してブラウンズに鳴り物入りで移籍しましたが、21年は12試合の出場でわずか4試合の先発に終わり、被パス成功率も73.8%でレイティング129.7(高いほど悪い)と散々なシーズンでした。出戻りをして心機一転、一昨年の輝きを取り戻せるかに注目です。

デビッド・ロングJr.は悪くないのですが、ミスタックルが多く少々安定感に欠けます。2年目のロバート・ロシェルはまだまだ成長途上で、ミスタックル率22.2%は改善の余地あり。

ラムジーは開幕から出場するとは思いますが、万全の状態かは怪しいところ。出戻りのヒルが以前の輝きを取り戻すことができれば良いのですが…ロングとロシェルは成長に期待です。

総合評価:B

セーフティ

2021年最終ロースター2022年ロースター
ニック・スコットニック・スコット
ジョーダン・フラージョーダン・フラー
テイラー・ラップテイラー・ラップ
テレル・バーゲステレル・バーゲス
エリック・ウェドルラス・イースト
Sの2021年と2022年のロースター比較。赤字が移籍や引退、緑が新加入など

先発/出場タックルソロTFLQBヒットINTPass Comp%レイティング
ニック・スコット1/17
(4/4)
47
(14)
28
(11)
0
(0)
0
(0)
2
(1)
66.7%
(46.2%)
61.3
(52.4)
テイラー・ラップ17/17946423474.1%98.7
ジョーダン・フラー16/161136310166.7%99.1
主なSの2021年スタッツ。カッコ内はプレーオフのスタッツ

昨年の最も大きな収穫はSニック・スコットの頭角だったんじゃないでしょうか。レギュラーシーズンはスペシャルチームでの起用が主でしたが、プレーオフの4試合ではフル出場。4試合でパスを通された割合は46.2%で58ヤードしか許さず。レイティングが52.7でINTも1つ取るなど素晴らしい活躍をしてくれました。今季は開幕から先発出場すると思うので、昨年の活躍が偶然ではなかったことを証明して欲しいですね。

テイラー・ラップとジョーダン・フラーは昨年のスターターでしたが、怪我で揃ってプレーオフを欠場。2人ともエリートというほどの実力はまだないので、安定はしていますが少し不安な部分でもあります。デプス上ではスコットとラップがスターターという見方ですがどうなるか。

Sのメンバーは昨季とほぼ変わらず。スコットがレギュラーシーズン通してどこまで通用するかがポイントでしょうか。

総合評価:B

スペシャルチーム

キッカー

出場FG1-19Yds20-2930-3940-4950+最長エクストラポイント
マット・ゲイ(K)1732/34 – 94.1%0-06/615/157/84/55548/49(98%)
マット・ゲイの2021年スタッツ

キッカーはプロボウラーのマット・ゲイ。キャップの問題でどうなるかと思いましたが、1年254万ドル(約3.76億円)で契約更新。この金額はキッカーの中では19位に位置し、最高額であるレイブンズのジャスティン・タッカーが年平均600万ドル(約8.65億円)なので半分以下で契約できました(タッカーと比べるのは気が引けますが)。これは安すぎるとも思いましたが、まだ活躍して1年半程度なので今年も安定して活躍したら来年は高額年俸ゲットとなるでしょう。

レギュラーシーズンではFG34回中32回成功、50ヤード以上は5回中4回成功と素晴らしい活躍。プレーオフでもFG10回中8回成功、外した2本も40〜50ヤードで1本、50ヤード以上で1本と仕方ない距離ではあったので、今年も安定した活躍をしてくれるでしょう。

パンター

2021年最終ロースター2022年ロースター
ジョニー・ヘッカーニック・スコット
Pの2021年と2022年のロースター比較。赤字が移籍や引退、緑が新加入など

出場パント最長YDS平均タッチバックIN20NET平均
ライリー・ディクソン1774回633,28344.46(8.1%)24(32.4%)39.5
ライリー・ディクソンの2021年スタッツ。カッコ内はプレーオフのスタッツ

4度のプロボウラー、オールプロ4回のパンター、ジョニー・ヘッカーをリリースしました。年々成績を落としていたので予想はしていましたが残念ですね。

代わりに元ジャイアンツのライリー・ディクソンを1年約100万ドル(約1.4億円)で獲得。パンサーズに移籍したヘッカーの今年の年平均が約254万ドル(約3.66億円)なので半分以下で契約したこの判断がどう出るか。。。

リターナーはブランドン・パウエル。昨季Week9からラムズに加入し、パントリターンタッチダウンも決めました。近年リターナーはパッとしなかったので、今年も契約できたのは地味に大きいです。

マット・ゲイとブランドン・パウエルは問題ありませんが、新加入のライリー・ディクソンがどうなるか。スペシャルチームをないがしろにした2020年は散々だったので、サラリーキャップの問題とはいえこれが裏目に出ないことを願います。

総合評価:B-

まとめ

いかがだったでしょうか。スーパーボウル連覇を狙うチームとしては戦力維持ができているのではないかなと思いますが、前年のバッカニアーズのように戦力を維持できても連覇の道は険しいもの。それでもアーロン・ドナルドの残留やボビー・ワグナーの加入など期待できる要素は多くあるので、今年も楽しみな布陣になったと思います。

最後にまとめで終わりたいと思います。

  • QBスタッフォードの肘の状態が懸念
  • WRはカップとロビンソンが軸になるので戦力維持ができている
  • RBはエイカーズの復調とさらなる成長を期待
  • TEはヒグビーが健康なら問題なし
  • OLはウィットワースの引退が大きいが、戦力は維持できている
  • DLはドナルドをはじめ強力なユニットを維持
  • ウィークポイントだったILBはワグナーとジョーンズで期待できるユニットとなった
  • CBは出戻りのヒルがかつての輝きを取り戻せるか
  • Sはスコットの活躍に今年も注目
  • スペシャルチームは新加入のディクソン次第

最後までお読みいただきありがとうございました!

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